2.測定プログラムの準備

測定プログラム例


①測定前処理

  • GaAs標準試料に0.1V印加し、368K(95℃)で5時間保持します。
  • 上記の手順により、TSC測定前に試料にすでにトラップされているチャージを開放します。
  • 測定前の加熱は試料表面に付着した水の除去にも効果的です。

②冷却

  • 90K(-183℃)まで20K/min(冷却速度は任意)で試料を冷却します。

③保持

  • 試料を90Kで20~40分保持して、試料温度を安定させます。

④トラップ

  • 試料を90Kで保持したまま、630nmの光(バンドパスフィルタ使用)を5分間照射し、キャリアをトラップします。
  • その後、試料電極をグラウンドに接地し、90Kで試料に固定されない余剰のキャリアをリリースします。

⑤TSC測定

  • 電流計と電圧源のリレーをONにし、コレクティング電圧を0.2V印加します。
  • 昇温速度3~20K/minで323K(50℃)まで昇温し、熱刺激電流(TSC)を観測します。

⑥測定後処理

  • 昇温速度5K/minで353K(80℃)まで昇温し、その後100分保持します。
  • 試料冷却用の液体窒素タンクから液体窒素を気化させて取り除きます。